新型コロナ対策強化下でカナダ入国~読者寄稿~ 後編

 カナダ政府が2021年3月22日から水際対策を強化して、海外からの入国者に対して搭乗前72時間以内に行われたPCR検査陰性証明、空港でのPCRテスト、そして空港での検査結果が出るまでの最長3日間は政府指定のホテルでの隔離を義務化した。

 ホテル隔離を行ったバンクーバー新報読者の優子さんがその体験を寄稿してくれたので2回に分けて紹介する。後編はバンクーバー国際空港で入国してPCR検査、そして検査結果が出るまでのホテル隔離について。

 「新型コロナ対策強化下でカナダ入国~読者寄稿~ 前編」はこちら。

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バンクーバー国際空港到着ロビーでのPCR検査

 さてバンクーバー空港到着。飛行機を出るとまずパスポートチェック。それから入国検査までは、途中で3種の神器のチェックポイントがあるところが従来と違うのみ。税関も同じ。その後が違っていて、到着ロビーがPCR検査場に変身していました。

 そこで、*検査のための登録が必要だと初めて知りました。その場でQRコードから情報を入力。入力が済むと係員が情報を確認して検査へ。スワブで鼻の両方の穴を15回ずつくるくる回してサンプル採取。

(*編集部注:連邦政府ウェブサイト https://travel.gc.ca/travel-covid/travel-restrictions/flying-canada-checklist/covid-19-testing-travellers-coming-into-canada#arrival-testing「Register in advance for your arrival test to save time at the airport(予約登録で空港での待ち時間を短縮)の項目を参照。もしくはバンクーバー国際空港に到着の場合はLifeLabのサイトで登録。https://www.lifelabs.com/flyclear/onarrival/

 係員が「One, two, three…fourteen, fifteen」と本当に声に出して15回スワブを回すのです。慣れていないのが分かります。笑わずにはいられない。

 スワブは鼻の孔だけで、鼻から奥までは入れません。それが終わると10日目に自分で行う検査キットを渡されて無罪放免。タクシー乗り場に移動しました。

ホテル隔離

 ホテルまでの移動はタクシーか自分の車。ホテルにつくと小さなロビーが大きな荷物を持った人でいっぱいでした。部屋が空かないからみんなロビーで待っているのです。

 私は3時間待ちでやっと部屋に入れました。直前まで礼儀正しく譲り合ってみんな待っていたのに、私の2人前の人になった時点で後から入ってきた3人組が割り込みました。

 割り込まれた私と私の前の人は疲れていたので抗議する気力もなく泣き寝入りです。

 カナダ化しているかどうかは、これで分かります。割り込む人は自国がそんな感じなのでしょう。モザイクもいいが、カナダ人として基本となる文化・礼儀は共有されるべしと私は思います。

 空港に到着してPCR検査を受けてホテルへ。そしてホテルの部屋に入るまで水も食べ物もなし。このとき、羽田空港のコンビニで買いこんでおいた食料が役に立ちました。何があるか分かりません。

 **サンフランシスコ大地震が起こったときに居合わせた私は、以来、非常食は必需品。もしものために必ず用意しています。

(** 編集部注:1989年10月17日にアメリカ・カリフォルニア州北部で発生した地震。マグニチュード7.1)

 なおバンクーバー空港で受けた検査結果は翌日到着し、晴れて自宅へ戻ることができました。検査結果を見せるだけでいつでもチェックアウトOKでした。

3泊分のホテル予約は前払い、早くチェックアウトしても返金なし!

 3泊分のホテル予約は前払いで、1泊でチェックアウトしても返金なし。***以前利用したときは1泊100ドルしなかったトラベルロッジが、1泊220ドル程度でした。そのほか、ジュースか水がついてくるのみでした。

(*** 編集部注:2021年3月、Travelodge Hotel by Wyndham Vancouver Airportの1泊料金をしらべたところ162~189ドル)

 チェックインしたら説明書を渡されました。そこに食事はチェックイン48時間前までにMeal Plan Formを出せと書いてあって驚きました。Meal Planなんて出していません。

 慌ててフロントに電話したら、出していなくても大丈夫とのことでした。

 夕食についても7時半になってもこないのでフロントに電話をしました。食事は最初から期待していませんでしたが、香港風ボルシチというのが夕食でした。お味は推して知るべし。

 朝食も9時半になってもこなかったので電話したらマネージャーが持ってきてくれました。チェックアウトが1時半。昼食は届かず。

 ホテルで一緒だった大阪から来ていたトロントの女の子は、陰性の結果が出たので飛行機の予約を急きょ変更。私同様、1泊だけでトロントへ発ちました。トロントではタクシーではなく家族の出迎えで自宅へ戻れたそうです。

 ホテルから戻るのに私はタクシーを使いましたが、迎えに来てもらってもまったく問題なかったようです。ホテルがまったく気にしていませんでしたから。チェックアウトのときにタクシーを呼んでくれと頼んだら、迎えは来ないの?と言われました。

びっくり! 政府が隔離確認に来た!!

 さて隔離6日目の本日、時差ぼけでぐっすり寝ていると突然玄関のブザーが鳴りました。無視していると何度も何度も鳴らします。仕方がないと降りていくと大男が立っている。何事かと思うとマスクをして身分証明書を持って来いと叫ばれた。なんと隔離の確認に来たのでした。ああ驚いた。

 隔離期間がホテル3泊プラスなのか、到着から2週間には変更がないのか、ウェブサイトの書き方があいまいで心配しました。念のために早めに戻りました。結局は変更なし。到着日を含めて14日です。なあんだ。

以上ご報告まで。

カナダでのホテル隔離
https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/2019-novel-coronavirus-infection/latest-travel-health-advice/mandatory-hotel-stay-air-travellers/list-government-authorized-hotels-booking.html

(編集部 西川桂子)

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