体験リポート
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では新型コロナウイルスワクチン接種がフェーズ3(第3段階)へと移行して、4月6日からオンラインでの事前登録を開始した。
55歳から65歳までを対象とする、薬局でのアストラゼネカ製ワクチンの接種も3月31日から実施されている。春から予定されていた職種別優先グループへの接種は現在保留となっているものの、ワクチン接種はBC州でも着実に進んでいる。ワクチンを接種した人やその家族に話を聞いた。前編と後編に分けてリポートする。後編ではアストラゼネカ製ワクチン接種体験談。
ワクチン接種で少しでも早く楽しいことを自由にできれば…
ウィスラー在住者や働いている人は4月12日より18歳から54歳までについてもワクチン接種が始まったが、話を聞いた男性は55歳から65歳を対象に薬局で行われているアストラゼネカ製ワクチン接種を利用した。
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僕はRexallで1回目を済ませました。アストラゼネカワクチンです。
4月10日 午後7時44分 ワクチン接種。15分店内待機
15分薬局待機なのでその間にポテトチップスを2袋買ってしまいました。友人も同じことをしたらしく、Rexallの売り上げ伸びてると思います。
4月11日 注射は痛みもなく、前日の夕方に接種を受けて、12時間たった次の日も全く普通だったので、思わず野外に運動しに行きました。
昼前に出発してジョフリー湖近くの林道に歩くスキーをしに行きました。これはよくなかったかもしれません。基本的にはゆっくりしていた方がよいと思います。
午後2時ごろちょっとだるさを感じて、戻って体温を測ったら37.3度。あれ?って思っていたら結構急に体温が上がっていきました。
熱はどんどん上がりますが食欲はあります。38.3度ぐらいまでは確認していたのですが、食欲はあったの普段の倍ぐらい食べて、ジュースガブガブ飲んで横になっていました。YouTubeなどは見てました。夜半過ぎに「熱あるなぁ」って思いながら就寝しました。食べれるだけ食べて寝てしまいました。
4月12日の朝には37度以下に戻っていましたが、昼まではのんびりしました。昼過ぎに体温を測ったら36.3度まで下がって、調子も全然よくなりました。
結局熱が出ていたのは半日間ぐらいでした。副反応としては軽い方だったと思います。
熱は正確に何度まで上がったのか確認しなかったのですが、38.5度ぐらいはいっていたかも、という感じです。39度越えもよく聞くので怖くなるのは仕方ないですよね。僕は39度はいっていないと思います。薬は葛根湯(かっこんとう)を1回飲んだだけです。
多くの人が心配している血栓に関しては、僕は血圧は最適値にほぼ入っているし、できても大丈夫って思っていました。
結局、13日には体温も戻り、全く普通になりましたが、ポテトチップスも食べたし体重は増えてしまいました。
ワクチン打つことにより、社会が少しでも早く楽しいことを自由にできるのであれば、ちょっとぐらい熱でてもよいかなって感じです。
ワクチンで血栓ができる可能性より感染が心配だった
パーキンソン病で闘病中の60歳男性は、優先接種を受けることができないため、薬局での一般接種となった。
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病気があるので、55歳から65歳が薬局でワクチンを接種できることになって、すぐに妻と予約して接種を受けてきました。
パーキンソン病ではワクチンの優先接種を受けることができません。今回薬局での55歳から65歳のアストラゼネカ製ワクチン接種が決まり、うれしかったです。
アストラゼネカ製ワクチンを怖がる人もいますが、*調べたところカナダでは血栓の症状が出た人はまだいません。病気を抱えている身としては、これだけ感染者が増えている中、早くワクチンの接種を受けて安心したかったです。
(*編集部注:4月14日にカナダでもアストラゼネカ製ワクチンを接種して血栓が発生したケースが発表された)
オンラインでShoppers Drug Martでの接種を予約して、予約した時間に薬局に行きました。ほかに待っている人はいなくて、安心して接種を受けることができました。簡単な問診があり、ワクチンを接種。15分待ってから帰宅しました。
副反応は患部が少し痛かったぐらいです。熱も出ませんでした。翌日、弟や息子とハイキングに出かけました。
妻は接種後、38.4度の熱を出したのでタイレノール(解熱鎮痛剤)を飲んでベッドで休んでいました。夜中に唸っていて、翌朝「うなされるのってワクチンの副反応にあったっけ?」と娘に笑われていました。
翌日には熱は下がったものの、身体の節々が痛かったそうです。でも、コロナにかかるともっとひどいのだろうと思ったら、楽なものです。2人とも早く打って安心できてよかったと思っています。
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アストラゼネカ製ワクチンはチンパンジーのアデノウイルスをベクターとして使用したワクチンで、本ワクチンを接種後、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が宿主細胞で発現すると、当該タンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導され、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられている。
(取材 西川桂子)
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