位置確認のOELアプリなど義務化で、こう変わった! 日本入国

2021年4月、日本入国体験談 

 新型コロナウイルス感染症に関する水際対策強化の一環で、日本人も含めすべての入国者・再入国者・帰国者は入国にあたり、出国前72時間以内に実施したPCRテストでの「陰性」証明の提出、入国時のPCRテスト、OELを含むさまざまなアプリのインストール、入国後14日間の自己隔離などが求められている。

 4月中旬にバンクーバーから日本航空(JAL)を利用して帰国した女性による、バンクーバー空港やJAL機内、成田空港の様子などのリポートを紹介する。女性はバンクーバーでのPCRテストの様子もリポートしてくれた。(前編のPCRテストを受けるまでと、後編の実際のテストの様子についてはこちら)

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思ったより混雑していたバンクーバー空港

 出発日は朝のうちに厚生労働省の誓約書と質問表*を記入しました。
(*編集部注: 水際対策の強化として、5月10日現在、海外からの入国者は誓約書と質問票の提出が必要。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00251.html

 誓約書は提出用に印刷しておいたのですが、JALの機内でA3用紙に印刷したものが配られるので、機内で書いた方がよかったと思いました。

 質問表は最後にQRコードをスマホに保存かプリントアウトします。念のためプリントアウトしたけれど、スマホに保存するだけでもOKでした。

 バンクーバー空港に着くと思ったよりすごい人混みで驚きました。

 JALのチェックインカウンターには3人ほどしか待っていなかったのですが、隣りの四川航空はまるでコロナ前のような長蛇の列。JALのスタッフさんによると、連日こんな感じということで驚きました。

空いていたのでリラックスできたフライト

 その日のJALは搭乗客の人数を聞くと約40人とのことでした。機材はボーイング787で真ん中の4人席の列に座っているのは私1人で、フライトの間もリラックスできました。

 バンクーバー出発時は乗客2人がまだ来ないということで、機内でしばらく待たされました。結局、そのうちの一人はキャンセルしたそうで、その乗客の荷物を下ろすのにさらに待たされて、約1時間遅れでバンクーバーを出発しました。

 日本の水際対策で必要となっている出国前72時間のPCR検査は、念のため出発時間より2時間くらい余裕をみて受けました。余裕をみていなかったら、出発が遅れると慌てていたかもしれません。今回のように飛行機が予定より遅れて出発したときなど、日本でどこまで厳密にチェックしているのかは分かりませんでした。

 機内では飲食の機会を減らすためか、水平飛行になってすぐのドリンクサービスはありませんでした。搭乗前に水を買おうか迷って、どうせ乗ってすぐドリンクサービスあるしと買わなかったので、あてが外れてしまいました。ただ、頼めば水はもらえた様子でした。

 機内では飲食時以外はマスク着用必須で、感染リスクを減らす必要がありますし、まあ納得です。ドリンクサービスは食事と一緒になっていましたが、アルコール類もありました。

 出発が遅れたにもかかわらず、予定より20分ほど早く成田に到着しました。この時点で16:11でした。

たったの8人だった日本入国

 成田に到着すると、まず乗り継ぎの乗客が降機しました。

 その後、私を含め日本着の客が降りて、そのまま検査場所へ移動しました。案内の人について行きましたが、検査場所まで少し遠く、かなり歩いたと感じました。

 検査場に到着したのは16:40頃でした。この時点で同じ飛行機からの乗客はたったの8人でした。うち4人はオンタリオ州からの乗客だったらしく、検査を受ける前に別グループに分けられて、成田到着時のPCR検査が陰性でも3日間政府指定のホテルで待機となる旨の説明を係官から受けていました**。

(**編集部注:日本政府の「新型コロナウイルス変異株流行国・地域」にカナダ(オンタリオ州)が指定されたことを受け、2021年4月9日より、72時間前陰性証明、14日間の隔離などに加えて、到着後、検疫所長の指定する場所にて待機、3日目に再度検査の追加措置が適用されている)

 オンタリオ組のあとに、私を含めたグループが案内され、事前PCR検査の陰性証明などを確認、続いて、少し離れた別の場所に移動して唾液検査を受けました。

 唾液検査は乗客一人ひとり、個別に検査番号が振られます。試験管とロートを渡されて個別ブースで唾液を採取しました。ブースにはレモンと梅干の写真が貼ってありましたが、私は唾液が出にくいので念のため種抜きにした梅干をジップロックに入れて持参しました。

 せっかく用意していましたが、検査30分前から飲食は禁止でした。案の定、全然唾液が出なくて困りましたが、匂いをかぐのはOKということで、持参した梅干の匂いをかいだらすぐに唾液が溜まりました。おかげでかなり早く検査所を出ることができました。

 検査所のあとはアプリのインストール・動作確認がありました。4つのアプリがインストールされているかどうか、メールアドレスが合っているかなどを、各係員を回って、順次確認しました。4つのアプリはOEL、SkypeまたはWhatsApp、スマホの位置情報保存設定、COCOAでした。この作業に1時間弱かかりました。

 終わったら検査結果が出るのを待つため、待合所へ戻りました。アプリチェックで既に1時間弱たっていたので、ここでは15~20分くらいしか待ちませんでした。17:55には番号を呼ばれて、ぺらぺらの紙に印を押されたものを渡されました。

 陰性とは書かれていませんでしたが、2種類色があったので色分けされているのかもしれません。この紙を持って入国審査所まで引き返して入国しました。

 預けた荷物はとっくに降ろされていました。入国審査も税関もがらがらで待ち時間なしです。

 私はホテル隔離の予定で、公共交通機関が使えないので、コロナ対策がされた「らくらくタクシー」(https://www.rakurakutaxi.jp/)という会社でハイヤーを予約しました。成田市内への料金は5千円でした。

 もちろん通常のタクシー料金や電車に比べれば高いのですが、到着時間に合わせてフレキシブルに対応してくれ、高速料金込みだったのでリーズナブルだったと思っています。

 出発前日にドライバーの名前と番号を教えてくれ、まずはPCR検査を受けて待機時間に連絡するようにということでした。結果が出て再度連絡するとすでに外に待機しているとのことで、空港中央口から出て合流。

 ドライバーのマナーもよく、領収書などもしっかり用意してくれていました。

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成田空港のハイヤー

 編集部で成田空港で利用できる、その他ハイヤーの会社を数社調べた。(5月10日現在)

・京成タクシー成田 
www.keiseitaxi-narita.com

・成田空港ジャンボタクシー
https://narita.airport-taxi.soushin-ichiba.jp/

・平成エンタープライズ
https://vip-hire.com/hire-plan/

・令和交通
https://www.reiwa-koutsu.com/

(取材 西川桂子)

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