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世界初、先住民ヌクサルク族の展覧会「芸術に刻まれた誇りと未来への継承」
ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の人類学博物館(Museum of Anthropology:MOA)で先住民ヌクサルク族の豊かな文化や芸術、歴史を紹介する世界初の展覧会「Nuxalk Strong: Dancing Down the Eyelashes of the Sun」が開催されている。この展覧会は、ヌクサルク族の文化・言語ディレクターSnxakila氏と、MOAの太平洋北西部担当キュレーター、ジェニファー・クラマー氏による共同企画。
展覧会では、MOA所蔵の貴重なヌクサルク族のアート作品や文化財に加え、国内外の博物館や個人コレクションからの展示品を通じて、彼らの強さと復興のプロセスを伝えている。さらに、次世代のために文化的遺産や儀式を守る取り組みが紹介され、地域の歴史と未来への貢献に焦点が当てられている。
ヌクサルク族はノースウエスト・コーストと呼ばれる先住民が住む北米西海岸一帯の中央部(現在のブリティッシュ・コロンビア州ベラクーラ)に14000年前から暮らし、絵画、彫刻、織物、鮮やかな青色を用いた儀式用装束やマスクを制作することでも知られる。これらの芸術作品は、土地と水を守る主権の象徴であり、現代のヌクサルク族アーティストにとってもインスピレーションの源となっている。
展覧会入り口のデザインは、ヌクサルク族の若手アーティストが描いた「雷の精霊」。Snxakila氏は「この地域は『雷の精霊の故郷』として知られ、ヌクサルク族の強さと文化の継続を象徴しています」と説明した。
展覧会のタイトルについては「『Nuxalk Strong』というフレーズは、1980年代後半から1990年代にかけて、ヌクサルクの人々が森林伐採に対して自分たちの土地を守るために使っていた言葉です」とクラマー氏。「ヌクサルク語には『私たちの最大の強みはヌクサルクであることだ』という表現もあります」と話す。
クラマー氏によるとタイトルの「Dancing Down the High Lashes of the Sun」とは「創世神話に由来しています」と言う。「創造主が人類の始祖を導いたとき、彼らは創造主のまつ毛(太陽の光のようなもの)を伝って降りてきたとされています。創造主は、太陽の姿になり、人類の始祖たちはそれぞれワシ、オオカミ、シャチなどの姿をまとい、その光の道を通って、定住する地に降り立ち、家を建て、魚を捕るためのわなを作ったという言い伝えがあります。そこに『Dancing』という言葉を加えました。この展覧会が活力や再生、抵抗、健康、繁栄、幸福を象徴しているからです」
会場に入って最初に目に入る展示ケース「THE FIXING OF THE WORLD」についてSnxakila氏は「ヌクサルク族で昔から伝わる創世神話がテーマとなっています。四大神霊が、創造主と共に世界を整え準備した存在として、人類の始祖の道しるべとしての役割を果したという言い伝えを表しています」と説明した。
また、ヌクサルク族の芸術の特徴である青色についてクラマー氏は「ヌクサルクには2種類の青があります。ひとつは鉱物から採れる緑がかった青で、もうひとつは昔の作品に見られるパウダーブルーです。後者は『レキット・ランドリー・ブルーイング』という洗濯用の漂白剤を使って作られたもので、それをサケの卵と混ぜて塗料として使っていました。この(THE...
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